私に最高の死を下さい
彼の手から与えられる
唯一の幸せを私に下さい本書の概要といっても、つまるところ読んでみなければわからないかもしれません。
(すみませんダメダメですね・・・)
著者は芥川賞受賞者の金原ひとみさん。彼女、結構好きなのです。本を文学としてというより、吐き溜めって感じで表現しているところが魅力的なのかも。個人的には。
「蛇にピアス」も圧巻だったしなあ。あれは凄かった。「蹴りたい背中」も、あの気怠い感じは好きでしたけど、あの暴力的なまでの文体には負けたね。
結局、著者の言わんとすることはわからなかったのですが、主人公の感じているありのままの気持ちに共感してしまうのです。
時々、その箇所を読み返しては、同じなのかなと思う。
「どうして私はこんなに汚いんだろう。どうして汚くてバカなんだろう。どうして数式が解けないのだろう。どうして私は古典が苦手なのだろう。どうして私は人の心が読めないのだろう。私を愛するモノなんて何もないと知ってしまった時、食欲や物欲や情欲や私に関する全てのモノが私を裏切ったような気がする。最初から裏切られているのかもしれない。いや、裏切るも何も私は最初から誰にも求められていないし、誰からも求められていないし、誰からも求められていないのかもしれないし、本当は誰からも求められていないのかもしれない。お願いだから誰か求めてよ。誰でもいいからさ。でもやっぱちょっとオヤジは勘弁だけど。でも誰でもいいよ。本当に誰でもいい。誰でもいい。求めてよ。お願いだから、大丈夫なの?って心配してよ。心配してよ。血を流す私を心配してよ。
(中略)・・・
とにかく私を愛して欲しいの。他の誰でもない私をね。私だけよ。私だけ愛して欲しいの。私以外の誰かを愛するなんておかしい。私以外の誰を愛すっていうの?私以外に愛する人がいるとするなら神だけよ。神と私以外は絶対に愛する価値の無い人間だから。涙を流してしまってとても醜い私だけど、言わせてもらう。もういい。私はもう愛してもらわなくていい。もう愛さないでちょうだい。ていうか愛すな。愛されるなんて私には荷が重すぎる。私なんて愛されるに値しない。私なんていらない人間だし。別に愛さなくていい。求めなくていい。何も求めないでいい。私の事なんか求めなくていい。
ただ、ただ私にほんの少しでいいから興味を持ってちょうだい。
私だけに、いや、私だけでなくていい。多くの興味を持つ事柄の中で私に、たった一ミリでもいいから、興味を持って欲しい。私は本当に、誰からも興味を持たれない人間みたいだから、とにかく誰でもいいから興味を持って。ただの興味でいいの。単なる興味でいいの。興味なんていくらでもあるでしょ。その一ミリを私にちょうだいって言ってるの。私だけじゃなくてい言ってんの。何だっていいの。何だっていい。私に関する事なら何でもいい。私に関する事でいい。私に関する事に興味を持ってよ。私私って、とっても私私してしまって申し訳ないけどさ。私は私が大好きなんだよ。私以外の事に何も興味は無いんだよ。申し訳ないけどさ、私は私って言葉が大好きなんだよ。ただ私が自分のゲル状態を確保するために私私って言ってんだよ。それがないって事はつまり、生きてないって言うのと同じ事なんだからさ。」(本書抜粋)
誰もが求めているのではないでしょうか。
ここまで曝け出している訳ではないでしょうけれども、それでも、何か1つ、心に刺さるものが在ると思います。
あとで思ったけど、これって本の紹介だから引用ありだよね?著作権侵害ひっかからなきゃあいいけど。